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糖尿病Q&A

糖尿病Q&A
監修 荒川千恵 (毎週 月、木、金 糖尿病外来担当)


糖尿病とはどのような病気ですか?

糖尿病とは、インスリンというホルモンの量が不足したり、働きが悪くなることにより、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなりすぎた状態(高血糖状態)が続く病気です。

日本においても糖尿病患者数が増え続けており、現在は、40歳以上の6人に1人が糖尿病あるいは糖尿病予備軍と言われています。糖尿病の発症初期や軽症の場合には自覚症状はありません。しかし、血液中のブドウ糖(血糖値)が一定量を超えると、尿の量が増える(多尿)、トイレに行く回数が増える(頻尿)、のどが渇く(口渇)、水分の摂取量が増える(多飲)、体重が減少する、疲れやすくなるといった症状が出てきます。このような症状が出てきたころには、既に糖尿病の合併症が発症していることも珍しくありません。これが、糖尿病が静かなる殺し屋(サイレントキラー)と呼ばれることがある所以です。

市民検診や会社の健診で血糖値を測る目的としては、症状が出る前に、糖尿病を早期に発見し、治療を遅らせることのないようにすることです。そのため、健診で血糖値の異常や尿糖が出ていると言われたら、早めに医療機関を受診しましょう。

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糖尿病にはいくつかの種類があるようですが、
それぞれの糖尿病の原因はなんですか?

糖尿病には、4つのタイプがあります。①1型糖尿病、②2型糖尿病、③その他の特定の原因のある場合、④妊娠糖尿病です。

1型糖尿病は、膵臓にあるインスリンを分泌する細胞(β細胞)が破壊されてしまい、インスリン分泌がほぼゼロになってしまうタイプです。原因は明らかにされていませんが、自己免疫疾患や、ウイルス感染などにより、突発的に発症すると考えられています。

2型糖尿病は、インスリン分泌が十分でなかったり、インスリンが効きにくい状態になるために起こります。日本人の成人の糖尿病患者さんのほとんど(約95%)が2型糖尿病です。過食、間食、高脂肪食や運動不足などの乱れた生活習慣があると発症する危険性が高くなります。主に40歳頃から増えてきますが、最近は、生活習慣の乱れによって2型糖尿病になってしまう子供が増えています。治療は、食事や運動などの生活習慣の見直しで改善することもありますが、内服薬やインスリン注射が必要となる方までおり、治療法は患者さんによって大きく異なります。

その他、特定の原因がある場合、例えば膵臓の手術や膵炎、ホルモン異常によるもの、肝臓の病気に伴うもの、ステロイド治療によるものや妊娠に伴うものなどがあります。

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糖尿病で通院されている患者さんの検査(血液検査)について教えて下さい。

糖尿病の合併症を防ぐためには、良好な血糖コントロールを維持することが大切です。血糖コントロールの状態は症状では判定できないため、血液検査が必要になります。主に、血糖値とHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の2つの指標で判定します。

血糖値は、朝食を食べる前の「空腹時血糖値」と、食事をしてから2時間後の「食後2時間血糖値」のいずれかが参考になります。空腹時血糖値が130mg/dl未満、食後2時間血糖値が180mg/dl未満に入ると、良(よい)と判定されます。ただし、血糖値は検査前の2~3日、たまたま糖分の少ない食事をしていたりすると、普段は高い血糖値がそのときだけ下がってしまうことがあります。

そこで用いるのが過去1~2カ月間の血糖値の平均を反映するHbA1cです。検査当日の血糖値が良好でも、HbA1cが高ければ、日々の血糖コントロールが不良だったことが疑われます。糖尿病の合併症の発症を予防するために、HbA1c(国際標準値)を7.0%未満に保つことが血糖コントロールの目標となります。

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糖尿病で通院していますが、尿検査では何を調べているのでしょうか。

糖尿病は自覚症状がないことが多いので、状態を評価するためには定期的に検査を行う必要があります。その検査の1つに尿検査があり、主として尿に糖やタンパクが出ているかどうかを調べます。

血液中のブドウ糖(血糖)は体にとって大切な栄養分であるため、健康な人では尿中に糖がでることはなく、尿糖はマイナス(陰性)と判定されます。しかし、血糖値が高くなると(約170mg/dl以上)、腎臓での処理の限界をこえてブドウ糖が尿中に漏れ出てきます。これが尿糖です。よって尿を検査することで血糖の状態を間接的に知ることができます。

またブドウ糖と同様にタンパクも、健康な人では尿中にでることはなく、尿タンパクはマイナス(陰性)と判定されます。
糖尿病により腎臓の合併症(糖尿病腎症)を発症すると、尿タンパクがでてくるようになりますが、初期には自覚症状がほとんどありません。腎症の発症を早期に発見するために、尿タンパクを調べます。また、ごく早期には尿タンパクの一種である尿アルブミンを用いて評価します。腎症が進行し腎不全になると、血液透析が必要になるため、定期的に尿タンパクを調べ腎症の状態を評価し、血糖コントロールをきちんと行うことで、進行を遅らせるようにすることが大切です。

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糖尿病を放置すると様々な合併症がおきると聞きますが、
それはどのようなものですか?

糖尿病の合併症は、細い血管にみられる細小血管障害と、太い血管にみられる大血管障害の2つに分かれています。

血糖値の高い状態が続くと、目や腎臓、手足などの細い血管がもろくなり、障害が起こります。その結果、神経障害、網膜症、腎症、といった細小血管障害を発症します。これらは糖尿病に特有の病気で、「糖尿病の三大合併症」と呼ばれます。

神経障害は、手足の神経に障害が起こり、痛みやしびれを感じるようになります。網膜症は、目の網膜に障害が起こり、視力が低下していきます。ただし初期には自覚症状が少ないため、ある日突然、目が見えなくなって網膜症に気づくこともあります。腎症は、腎臓が障害され、体中の老廃物をろ過する機能が低下していきます。初めのうちは、自覚症状がほとんどないため、「むくみ」などの症状に気づいた時にはかなり進行していることが多いです。悪化すると、機械で血液をろ過する人工透析が必要になります。

また、糖尿病は、動脈硬化を加速させ、太い血管がつまりやすくなります。進行すると、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などの大血管障害を招きます。

糖尿病は、自覚症状がほとんどないため、合併症がかなり進んでから初めて気づくことが少なくありません。日ごろからきちんと血糖値をコントロールし、定期検査を受けることで、合併症を予防したり、進行を遅らせたりすることができます。

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心筋梗塞で入院した際、糖尿病を指摘されました。
糖尿病と心筋梗塞は、関係があるのでしょうか?

糖尿病の合併症には、神経障害・網膜症・腎症の三大合併症などがありますが、これらは高血糖により細い血管が傷害され発症します。しかし、高血糖の影響は細い血管だけではなく、太い血管にも動脈硬化として現れます。その動脈硬化が進行した結果起こる病気の1つに心筋梗塞があります。
糖尿病患者さんが心筋梗塞を起こす危険度は、健康な人の3倍以上といわれております。急性心筋梗塞は激しい痛みを伴うことが多いですが、糖尿病患者さんでは神経障害のために痛みを感じにくく、はっきりした症状のない(無症候性)ことがあるので注意が必要です。

動脈硬化を引き起こす原因には糖尿病のほかに、高血圧や脂質異常症などがあります。いずれも自覚症状がないまま進行する病気で、治療をせず放置してしまうことが少なくありません。糖尿病患者さんはこれらの病気を併発することが多く、動脈硬化がより進行しやすくなっています。動脈硬化は一度発症すると、血管をもと通りの状態に戻すのは難しく、進行を遅らせることが治療の主な目的になります。しかし、糖尿病、高血圧、脂質異常症それぞれは、適切な治療により、十分コントロール可能な病気です。

動脈硬化を防ぐには、危険因子を1つでも減らし悪循環の輪を小さくすることが大切です。また、喫煙も動脈硬化をまねく危険因子ですので、禁煙を心掛けましょう。

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